日本人は結婚して、子どもができると家やマンションを購入するというマイホーム志向が強い人が多いようです。土日になると、新築マンションや一軒家の住宅閲覧会は盛況です。国民のほとんどがマイホーム嗜好というのも冷静に考えると不思議な気がします。この考え方はいつごろからあるのでしょうか?

持ち家率を見ると、圧倒的に多いのは団塊世代です。その割合は80%以上と、他の世代と比べても突出しています。この世代の若い頃は、不動産価格が今よりずっと低く、また、景気も右肩上がりでした。一度企業に就職すれば、一生安泰が約束されていた時期でした。

やがて時代はバブルに突入。土地は天井知らずの値上がりを続けました。たとえ手放すことになっても、買ったときより高く売れるという、今の時代からは信じられない『土地神話』もあったのです。団塊の世代にはマイホームをもつことは、ごくごく当たり前という夢のような時代でした。

今は団塊の世代の子どもが親世代になって、親の若い頃の考え方をそのまま踏襲しているのが、今も根強く残るマイホーム志向の理由の一つと考えられます。

しかし、常識は時代に大きく左右されます。正社員雇用が激減し、40歳以上になっても非正規で働いている人が大勢います。当然、増収は望めませんし、結婚して子どもがいるのが当たり前、という考え方は通用しなくなりました。

マンションも家も売ったとしてもほとんどの場合、大きく値下がりします。それに、マンションや一軒家を買った団塊の世代も想定外の事態に見舞われている人が多くいます。どういうことでしょうか?

当然ですが、マンションは長い間住み続ける間に劣化していきます。メンテナンスや修繕が欠かせません。賃貸ですと、これらの費用は最初から家賃に含まれていたり、毎月家賃と一緒に支払っています。

どこかが壊れたり、備品の取替えが必要になったら家主や管理人に言って修理してもらったり、交換してもらうことができます。しかし持ち家の場合は、そのすべてが自己負担です。修繕費だけで3000万円以上かかるという試算もあるのです。

こうなると賃貸と持ち家、どちらがいいのかよくわからなくなってしまいます。また、今の日本は少子高齢化が進んできて、人口が減ってきています。当然マンションの占有率も下がってきます。要は空き部屋、空家が増えるということです。

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実際、家主の所在がわからない空家は年々ふえてきて、社会問題となりつつあります。古い分譲 マンションは老人の孤独死、空き部屋の増加により、管理費や修繕費の滞納が深刻化しています。当然マンションの価値も下がってきます。

また、ここ数年でクローズアップされてきているのが、地震などの自然災害です。日本はいつどこで大型地震に襲われてもおかしくない環境です。東北の津波による甚大な被害もありましたし、熊本の地震でも多くの人が家を失いました。

日本は長寿国で、常に自然災害の危機にさらされています。同じ場所にずっと安定して住み続けられる保証はありません。