仕事や家庭の事情で自宅が空家になってしまうことがあります。長く住んでいないと、家が傷んでしまうし、将来的には戻ってきたいので売るわけには…。ということで、自宅を賃貸に出す人も少なくありません。

借り手が見つかれば、毎月家賃収入が入るというメリットがあります。しかし、見ず知らずの人に貸すのですから、当然リスクもあります。自宅を賃貸に出した場合のリスクは以下のようなものがあります。

借り手が見つからない
入居者がいなければ、その月の家賃収入はゼロ。しかし、管理会社には一定の管理費用を払う必要がある。家賃収入をローンにあてている場合は、自分の貯金などを取り崩して払う必要がある。

劣化・損壊の危険性
入居者によって建物に著しい損害が加えられることがある。勝手に壁に穴をあけて生活配線を入れる、ペット禁止にも関わらず、犬などによって壁や柱を壊される、退去の際、エアコンなどの設備を持ち去られるなどがある。

入居者と近所のトラブル
入居者がごみ出しのルールを守らない、騒音など隣近所に迷惑をかける可能性がある。

家賃の滞納
入居者が決められた家賃を払わない可能性がある。滞納したまま、勝手に退去する可能性もある。

事故・災害
地震や台風などの災害が起こった場合、修繕費がかかる。また、建物の欠陥で入居者に何らかの被害があった場合、金銭的な保証を求められる可能性もある。

借り手がなかなか見つからない場合は、募集方法に問題があるか、競合する住宅やマンションが多く、借り手がみつからないなどの可能性があります。この場合は、不動産会社に問題があれば、他の会社に買える、何か付加価値をつけるなどの対処法を考える必要があります。

入居者がトラブルをおこした場合は、どんなトラブルが内容をなるべく早く把握する必要があります。入居者を決めるさいは、年収や勤め先などを把握して人柄をあるていど推察する必要があります。管理会社に任せることも多いですが、担当者にどんな感じの人かも聞いておいたほうがいいでしょう。

入居者がトラブルをおこした場合は、家主に対応義務がありますが、不動産管理経験のない人が未払い家賃の回収や損害請求の対応をするのは困難です。自宅を貸す場合は、不動産会社に管理を委託したほうが懸命といえます。

また、トラブルを少しでも回避するには『定期借家契約』を選択する方法もあります。賃貸契約は二年ごとに契約を更新する『普通借家契約』がほとんどですが、『定期借家契約』は一年以上の一定の契約期間で契約が終了となります。

契約期間が短く、後に自分で住む可能性のある人には有効ですが、契約期間の短い物件は敬遠されることも多く(入居者と貸主の合意があれば契約の延長は可)、入居者が見つけにくいという欠点もあります。

貸す前に、いつ持ち家にいつ戻るのか、何年くらいなら貸し出し可能かなど、明確な期間を出しておく必要があります。また、管理体制のしっかりした不動産会社を見つける必要があります。