マイナス金利は、2016年2月16日にされました。とはいえ、生活面ではあまり実感がない、という人も多いのではないでしょうか。マイナス金利は一般の人が今まで銀行に預けてきたお金には適用されません。しかし、企業が日本銀行に預けていたお金や、新たな貯金には適用されます。

貯金に励んできた人にはがっかりな話ですが、いい面もあります。ローンの金利が低くなりやすいのです。住宅ローンも例外ではありません。マンションは一生を左右しかねない、高額な買い物です。住宅ローンの金利は、できる限り低くしたい!と思うのは当然です。

マイナス金利の影響を受けて、現在の住宅ローンの金利は銀行によっては1%台になっているものもあります。確かに、今まで高嶺の花だと思っていたマンションに食指がのびる人がいるのもうなずけます。

住宅ローンには大きく分けて3種類あります。『変動金利型』『固定金利型』『全期間固定金利型』です。変動金利は半年ごとに金利を見直します。そのときの景気の動向によって左右されます。固定金利は契約した初年度から数年間は金利は変わりませんが、契約した内容によって数年ごとに金利は見直されます。見直しの時期は3年~10年で、銀行によって見直し時期は違ってきます。

全期間固定金利は、文字通り金利はずっと変わりません。いまのように金利が低水準の時期には有利かもしれません。実際、金利は今後もしばらく変わらないという見方が大半です。

しかし、いまの低金利に魅かれて、マンションを物色している人には、注意してほしいことがあります。マンションが販売されてから実際の引渡しまでには意外と時間がかかるという点です。戸数の多い大型マンションになると、販売から引渡しまで2年以上かかることも珍しくないのです。

金利の適用は販売時ではなく、引渡し時のものが適用されることになっています。低金利で有利だと思って今、販売中のマンションと契約したら、入居時には金利が思いのほか上がってた!ということも充分ありえるのです。

購入時に低金利だったとしても変動型を選んでいたら、金利が下がる可能性もありますが、3年、5年と年数が過ぎるにつれて、想像以上につりあがる可能性もあります。では、せっかく低金利なのだから、固定型が安心なのでは?と思いますが、そうとも言い切れません。

同じ会社にずっと勤めていられるという保証はありません。固定型ローンを選んでも、リストラされたり、給料が減額すれば払い続けることが難しくなるかもしれません。また、お子さんがいる家庭では教育費も大きな負担になってきます。

教育ローンを借りれば、その返済でますます家計を圧迫することになります。教育費は年々上がっていく傾向にあります。

買う前に、どんなリスクがあるのかをこまめにチェックして、借り換えの手続きがスムーズにできるように事前に手続き方法を知っておくなど、防衛手段をあらかじめ考えておく必要があります。